過去問解説: 2つしかない課税方式

過去問題の解説

第 55 回通関士試験  通関書類の作成要領その他通関手続の実務


第 3 問 次の記述は、関税の確定及び納付に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。

すべてを選び、その番号をマークしなさい。


2 落花生油の製造に使用するための落花生がその輸入の許可の日から 1 年以内に製造工場で

その製造が終了するものとして関税の免除を受けて輸入された場合において、当該落花生が

当該製造工場以外の場所で落花生油の製造に供されたことにより税関長が直ちに徴収するも

のとされている関税額は、賦課課税方式により確定するものとされている。



→正しい

すっきり判断できる選択肢です。
関税法の課税方式には2つの方式しかありません。申告納税方式と賦課課税方式です。関税法6条の2、1項一号に申告納税方式について、同項二号に賦課課税方式についてそれぞれ規定があります。

簡単に言うと申告納税方式とは納税者側が金額を計算する方式で、賦課課税方式は徴税者側が金額を計算する方式です。2つしかありませんので、覚えやすいと思います。

さらに同項を読み進めていくと二号ニに「この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税」は賦課課税方式が適用されるとあります。

この選択肢の様に、油の製造のため免税を受けた落花生を他の目的に転用した場合は、この「一定の事実が生じた場合」に該当します。その他には例えば、保税運送の運送期間中に運送先に到着しない場合などもこの「一定の事実が生じた場合」に該当します。

関税法6条の2 1項ニ号には、上記のほかにもどういう関税に対して賦課課税方式が適用されるのかが列挙されています。イ~ヘまでの6項目あり、ホは実質的に内容がありませんので、実質的には5項目です。合格レベルに達する頃には頭に入っていると思いますが、早めに押さえておくと学習がはかどりやすくなるキーの条文のひとつです。


このブログの人気の投稿

年末年始の休みの過ごし方は