通関士試験に英語力は必要なのか
一定の英語力は必須
通関士試験に合格するには、一定の英語力は必須です。
具体的にどんな英語力が必要かというと、主に伝票類(インボイスやHSコード表)を読んでその内容を理解する能力です。これは一般的な学校教育の授業で学ぶ英語とはだいぶ異質です。ですから、学生時代に英語が苦手だったという人でも、その事を引きずって心配する必要は無いと思います。そうではありますが、反対に学生時代から英語が得意だったという人は、既に一定のスキルがあると思いますし、トレーニングによってスキルが伸びやすい状態の人だと思いますので、その得意は活きてくると思います。
もう少し詳しく、必要な英語のスキルとあまり必要のないスキルを分類してまとめてみます。
必要なスキル
- 語彙力(ただしほぼ名詞、形容詞、副詞、前置詞にばかり偏っています)
あまり必要の無いスキル
- リスニング力
- 会話力
- 文法の知識
- 長文の読解力
- 文学的知識
- 和文英訳力
- 作文力
英語力が無い人でも心配は要らない
このように、英語力が必要だとは言っても、学校教育で積み上げてきた英語力をそのまま使って問題を解く様なわけではありません。必要なのはどちらかというと学校教育ではあまり扱っていない部分のスキルだと思いますし、幅広いスキルが必要なわけではありません。元々英語に自信があるわけではないとしても、試験の勉強を通して合格レベルに必要な英語のスキルを身に着けていこうとコツコツ努力を実行できる人ならば、特に問題は無いでしょう。どうすれば必要な英語力が伸ばせるか
シンプルに考えればまずは過去問題を解く事です。解く→分からなかった所を調べる
この繰り返しで必要な英語力が徐々にそして着実に身について行くでしょう。それ以外に、日常生活の中でトレーニングできる事と言えば、例えば英語で書かれた表や伝票に目を通して、「どういう事が書いてあるのか」という事を考えてみる、といった事があると思います。日本人が日本国内でふつうに生活している場合にはそんなに読む必要が無いので気が付きにくいと思いますが、英語で書かれた表や伝票は案外身の周りに存在しているものです。例えば輸入された製品のラベル、インターネット通販で購入した商品の伝票、在日外国人に向けたお知らせなどで見かける機会があると思います。見つけたときには、意識してどんな内容なのか考えながら眺めてみるという習慣をつけると良いトレーニングになるのではないかと思います。
試験に登場するのは伝票ですので、読み物をすらすらと読めるようになったとしても、そのスキルは直接的には役立つものにはならないでしょう。ですから、英文の小節を読んだり、英字新聞の記事の部分を読み込んだり、というトレーニングはあまり試験向けではありません。
それよりも英語で書かれた表を読んで、情報の内容を把握するといったトレーニングにより効果があると思います。