過去問解説: 寄贈物品に該当する郵便物を輸入しようとする場合
令和4年 第56回(令和4年)通関士試験 関税法等 第9問
選択肢5
課税標準となるべき価格が20万円を超える郵便物を輸入しようとする場合であっても、当該郵便物が寄贈物品に該当するものであるときは、当該郵便物について輸入申告を行うことを要しない。→正しい
「例外の例外」という具合に例外がネスト化された条文に関わる内容が書かれた選択肢です。
関税法76条(郵便物の輸出入の簡易手続)1項では、まず郵便物に関しては関税法67条~69条、70条~73条の適用はせず、但書の通り税関職員に必要な検査をさせる、としています(簡易手続)。しかし()書があり「その価格(輸入されるものについては、課税標準となるべき価格)が二十万円を超えるものを除く」と言っています。しかしその()書の中にはさらに()書があり、「寄贈物品であるものその他の政令で定めるものを除く。」と言っています。
整理すると、
- 郵便は簡易手続の対象である
- 課税標準の額が20万円を超える輸入の場合は簡易手続の対象にはならない
- 課税標準の額が20万円を超えていても寄贈物品その他政令で定めるものは簡易手続の対象である
という事です。
ここで、選択肢に書かれている「課税標準となるべき価格が20万円を超える郵便物を輸入しようとする場合であっても、当該郵便物が寄贈物品に該当するものであるとき」については、まさにこのネスト化された「例外の例外」に該当し、簡易手続による事ができるため、輸入申告をする事を要しないと言えます。
従って5は正しい選択肢です。