通関士試験・独学におすすめのテキストは

通関士のテキストってどんなもの?

はじめに身も蓋もない話をしてしまうと、通関士試験のテキストは、どれを選んでも読みやすくはなく、どれもいくらか読みづらいものばかりです。

読みづらさの原因は色々あると思いますが、最大の原因は、まるっきりの初学者に合わせて書かれているのではなく、多少予備知識のある人に合わせて書かれているせいではないかと私は思っています。

この読みづらさをかなり解消できる方法があります。それはテキストを読む前に、通関の実務や業界について基本的な事をやさしく解説してある本を読んでおく事です。具体的にはこの本です。


この本の内容についてはこの記事でスポットを当てて詳しく説明しています。


実務未経験者の強い味方
https://2kan4.blogspot.com/p/blog-page_8.html

そしてテキストにはそのように読みづらい一方で、頼りない面もあります。テキストの内容は、試験の出題範囲全体をカバーできていません。例えば過去問題を解いていて、理解できていなくて間違えてしまった問題があったとします。その問題の解き方や考え方を調べようと思ってテキストを見ても、どこにも書いていない場合があります。おおよそ1割前後の問題がそうだと思って下さい。言い方を変えれば、テキストは出題範囲の9割前後しかカバーしていません。

だとすればテキストなど読みながら独学をしても合格する事などできないのか、というとそんな事はありません。確かにテキストは出題範囲の全てをカバーしてはいないものの、テキストに書いてある事を独学によって十分にマスターすれば合格点に達する事はできるのです。満点を取れないからダメ、と考えるのは現実的ではありません。合格点が取れればOK、と考える事こそ現実的なのです。

これは通関士試験に限った事ではありません。一定以上の難易度の国家試験であれば、ほとんどがそういうものです。本気で試験範囲を全て含めようとすれば情報量は相当なボリュームがありますので、ある程度は情報を取捨選択するような事をしないと現実的に一冊の本として製品化できるようにまとめきれないのではないかと私は思います。

この様な事情はある程度資格試験の受験に慣れてくるにしたがって次第に分かってくる事でしょう。そうとは知らずにテキストに期待しすぎてしまうと、せっかく買ったものに過度の不満を感じてしまったり、他のものを間違ったほうが良かったと後悔してしまうかも知れません。しかし資格試験のテキストとはそういうものですので、割り切って上手に付き合って頂きたいと思います。

テキストを読んでの独学のイラスト

それでは実際に、例えば試験に出題されるけれどもテキストに載っていない、しかしそれでもなんとか調べて勉強したいという場合にはどうすれば良いのでしょうか。私はウェブで調べるのが良いと思います。テキストに載っていない事に限りません。私はテキストに載っている事でも、「このテキストの書き方、読みづらくて理解に時間が掛かりそうだなあ」なんて感じたときに、「もっとわかりやすい書き方をしている記事は無いのかな?」なんて思ってウェブで補足の情報を探していました。この時代、資格試験の勉強をするのにウェブはありがたい存在です。ウェブから様々な情報を得られるようになったというのは、独学で勉強をしやすくなっている大きな要素でしょう。

特に通関士試験は3科目のどれも、ほとんどの問題は法律の条文を確認する事によって正解の理由がはっきり分かります。ですから総務省の公開しているe-Govを参照すればほとんどの疑問を解消する事ができます。

(リンク)トップ | e-Govポータル

では、いっその事テキストなど買わずにウェブだけで勉強できないのだろうか、と考える人も居るかどうかは分かりませんが、それはさすがに無理がありそうです。勉強する事も可能だとは思いますが、テキストはあった方がだいぶ効率よく勉強できると思います。色々と不満な点はありながらも、通関士試験に関する事ではテキストはかなりの情報量が一箇所に濃く集約されており、反対にテキストよりも多くの情報が集約されているものなどそうは見つかりません。

ただし、繰り返しになりますがテキストだけでは試験勉強に必要な情報が足りない時もありますので、テキストだけで勉強するという事ではなく、傍らにパソコン、またはスマホを用意して、ウェブで情報を補足しながらテキストを読んでいくというスタイルがおすすめです。

現在書店で手に入るテキストには3種類あります。どれもロングセラーのタイトルで、どれを買っても極端なハズレは無いと思います。しかし、3種類にはある程度タイプとしての違いがあります。それぞれどんな人に合うかが違っています。知人の声やネットでの評判といった、周囲の人々の評判もある程度の参考にはなりますが、ぜひ、他の誰でもなく自分自身にマッチするかどうか、という事に重点を置いて選んでみて下さい。

要注意!テキストは最新版を使いましょう

通関士試験の関連法規は、法改正が頻繁です。法改正が最もホットな分野のひとつでしょう。ですので去年は正しかったのに今年は誤り、という現象も非常に多く発生します。「昨年のものでもいいや」という訳にはちょっと行かないでしょう。毎年発売される最新版を入手して下さい。

テキストカタログ

2023年版 通関士 完全攻略ガイド



現在多くの書店で販売されているテキストは3種類ですが、その中では最も文章量が多く内容が詳しいです。物理的にもボリューム感があります。なるべく情報をテキストから得て学習したいという人に適しています。

通関士 スピードテキスト 2023年度




3冊の中で最もページ数が少なく、物理的にもコンパクトです。詳しい情報はwebから得るタイプの人など、テキストに多くを求めない人に適した一冊です。練習問題を解き始める前に素早く通し読みをしたいという場合にもおすすめです。

2023年版 通関士試験 合格ハンドブック




上の2冊の中間的なボリュームのテキストです。著者がこの分野の指導者として長年実績のある有名な人です。どれにしようか判断が付かない場合に選んでも大きな失敗の無い一冊だと思います。


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