カードで分類品目の暗記なんてしてはダメ

最近、通関士試験の受験用の教材として製品化されている関税率表の分類を暗記するためのカードを時々見かけます。
結構いい値段です。
それらは実際使えるのか?という話です。
結論から言うと、まあ使えないでしょう。
お金の無駄になってしまうので、買わない方が良いと思います。
輸入統計品目のイメージイラスト


通関士試験の問題には、確かに分類について暗記をしていないと答えようのない問題というものはあります。
そういう問題で得点したいという心情も理解できます。
ただ、本当にそういう問題で得点を稼ごうと努力すべきかどうかは、一旦考えた方が良いと思います。そういう問題の配点は、全体からみるとごく僅かしかありません。
配点が僅かであるのに対して、暗記すべき情報量があまりにも膨大です。
現状は97品目ある訳ですが、その中身がさらに細分化されたものを暗記しようという話ですから、その情報量の多さをまず認識したほうが良いと思います。
分類は一式まるごと税関の公式サイトに掲載してあります。そこにはどのように掲載されているのかというと、97品目それぞれを1品目ずつのページにして、97のページに分けて掲載しています。要するにその様な分け方をするほどの情報ボリュームだという事です。
それを端から暗記しようとチャレンジするのは自由です。しかしまあ時間の使い方として効率が悪すぎて割に合わないなんて事はわざわざやってみなくても想像がつくという人も居るでしょう。むしろそれ位のカンが働く人の方が試験には強いのではないかと思います。
そこは一歩譲って、暗記するのだとしても、カードというツールの形態がこれまた良い方法に思えません。とても人間が暗記をしやすい様にサポートしてくれる道具の形態ではないように思います。
カードは物理的にバラバラな訳ですから、ランダムに暗記するという発想だと思います。しかし生身の人間にとってランダムに暗記するという事はものすごく難しい事で、効率よく暗記したいのならばもっと違う方法がある気がします。
例えばカードよりもむしろ、冊子のようになっていれば「はじめの方に書いてある」「後の方に書いてある」など、地図の上に配置されたスポットのように何らかの枠組が固定された位置関係の概念を利用して記憶する事ができます。そしてそのほうがだいぶ暗記しやすいのだと思います。
カードは、そういう記憶の仕方を敢えてできなくしてしまっています。
そもそも、これまでに合格してきた大多数の人は、カードなど使わずに合格してきた訳です。
奇をてらった商法なのかと思いますが、このように本質を考えると良さはありませんので、あまりお金も時間も無駄遣いしないほうが良いのでは、と思います。
結論をまとめると、高いし、暗記しづらいし、その上頑張って暗記したとしても大して点数は取れませんよ、という話で、いい事は無いと思います。

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